Nov/28/2005 (Mon)

My Dear Friend...

 今日はクリスマスツリーのライトについて、お勉強する約束でしたよね。ツリーのイルミネーション、略してイルミなんて呼んだりします。

 最近は様々な色のライトがチカチカと点滅するタイプよりも、白とか青など1色で、点滅しないライトの方をよく見かける気がします。

 このツリーのライトは一体いつ頃発明されて、どのような変遷をたどったのでしょうか?また、電気をエジソンさんが発明する前のライトって、一体どのようなものだったのでしょうか?
 難しい話は嫌でしょうけど、ちょっとだけ興味はあるでしょう?

 hideも難しいことは分かりませんけど、一緒に歴史を振り返ってみることにしましょう。

 題して「クリスマスツリー・ライトの歴史」って、なんかそのままですが・・・。(笑)

 しばらくの間、お付き合い下さいね。

上:イギリス

下:ドイツ

 上の古いクリスマスカードをご覧いただけば分かりますよね。電気が発明される前のツリーにはロウソクが飾られていました。一目瞭然っていうやつです。 (^^ゞ というか、きっとご存知のことだと思います。
 昔の日本でも祭りを松明(たいまつ)や提灯で彩っていましたので、きっと同じような感じだったのでしょうね。

 クリスマスは「キリスト生誕」をお祝いする行事です。キリストは「この世の光」であるから、ロウソクの炎は「キリストの威信を象徴している」と、昔の北ヨーロッパのキリスト教会では教えていたといいます。もっともそれ以前より、ちょうどクリスマスに当たる冬至の頃には、家々で巨大なユールキャンドルに火を点していました。冬至を境として夜がだんだん短くなり春に近づいていく、つまり太陽が再生することをお祝いするための太陽神信仰によるものです。ロウソクの明るい光が象徴する者こそ違っていても、暗く陰鬱なヨーロッパの冬から、華やぐ春への期待という意味では合致をみたため、徐々に同化していったのだと思います。

 このためロウソクをたくさん点せば点すほど、象徴の力は強くなると考えられていました。もしも、この長い冬が終わらなければ・・・。食べるものも、燃料もすべてが底を付いてしまうのですから、今の私達には想像できないほどの危機感があったはずです。ですのでロウソクを多く点すことが奨励されたのは、何も不思議ではないのかもしれません。

 蛇足ですが、窓辺にロウソクを立てている光景(過去のカレンダーでも紹介しています)を、写真などでご覧になったことがあると思います。これは闇夜でキリストが迷わず自分の家へ来るように導く光としての意味があります。今日は勉強になるでしょう? (^^)

 そして問題の、というか今日のテーマのクリスマスツリーについてです。

 そういった背景があったため、当然のようにクリスマスツリーにもロウソクが飾られました。しかしこれは気をつけていないと大惨事をしばしば招いたようです。吊るす場所が悪ければ、ロウソクの炎がツリーに燃え移ってしまいますので、ロウソクに火を点している間は、たとえば新参の使用人などをツリーの横に立たせていたといいます。

 手には長い棒の先に濡らしたモップやスポンジを付けた火消し棒(?)を持ち、その後ろには壁に沿って水の入ったバケツが並べられていました。しかしこうした用心をしていても、毎年のように悲劇は起こったようです。十八世紀のドイツでは、四メートルに満たないツリーに対して、適当なロウソクの数は四百本だと考えられていたそうですから、火事になるのも無理の無いことだったのかもしれません。 (ーー;)

 電球のツリーライトがはじめて登場したのは、1882年のアメリカでのことです。その立役者は、かのエジソンさんの経営するエレクトリック・ライト・カンパニーでした。しかし、いくら安全とはいえ、電球ではどうしても再現することの出来ないものがありました。そう、ロウソクの持つあの神秘的で荘厳な炎の揺らめきです。

 このため多くの発明家や技術者が、100年以上にわたりこの難問解決にチャレンジしている、という訳です。
 では、早速これまで生み出されたクリスマスツリー・ライトを見ていくことにしましょう。

 

 

 
 

1900年に売られていたツリー用のロウソク。この頃の主役はまだ彼らだったのです。

ロウソクに対抗するため1901年に出された新聞広告。NO DANGERの意味は、もうお分かりですよね。

こちらは1906年の広告。
 
 
 
左:1904年製                  右:1908年製
 
左:1908年製    右:1910年製 この年より紙箱になりました
 
左:1912年製                     右:1914年製
 
左右とも:1916年製
 
1916年製のツリーライトと、その取り扱い説明書
 
   

3枚とも1917年の広告
 
左:1917年製                右:1918年製
 
1918年製:外箱と中箱

1919年に作られた交換用ツリーランプのカラー(!)カタログ

 
左:1919年製               右:1920年製


              2枚とも1921年のチラシ

 
1922年製
  すべて1923年製
 
 

1924〜25年の関連記事
 
 
 
6枚ともすべて1924年製

1925年の関連記事
 
 
 

7枚ともすべて1925年製

1925年はエポックメイキングな年だといえるかもしれません。新型パッケージや新製品が数多く登場しています。
1本で8個分?重さで落っこちちゃうのでは・・・。

キャンドルの台座になるリフレクターもこの年に別売りで登場しました



箱絵を見ているだけでも楽しめますよね♪

 
 一気に25年分って、ちょっと多すぎたかも…。
2005年までですと、残りがあと80年もあります。
う〜んどうしようかなぁ・・・。
ちょっと寝ながら考えることにしましょう。(笑)

 ところでツリーにキャンドルとくれば、やはりオーナメントの話題ですよね。去年はアメリカ各州のサンタさんシリーズをお届けしましたが、今年は?
実はおかしいのを見つけていたりして・・・。(^^)

 寝坊しない自信のある方はこちらをどうぞ。
            ↓
          

 ではまた明日。

 O Christmas Tree

MIDI file Download (3kb)

 BGM : O Christmas Tree