Dec/2/2006 (Sat)

 

 

 

 

Krippe's

Story

 

 

 

 

 
My Dear Friend...

 よくhideが「クリッペ(Krippe)」っていいますけど、ちゃんとご紹介したことって、まだ無かったですよね?クリッペあるいはクリブとか、マンガーシーンなどとも呼ばれますが同じものなんです。

 ドイツ語でクリッペとは「飼い葉桶」のことです。この桶に誕生したばかりのイエス・キリストを寝かせてゆりかごにしたことから、一般的にクリッペとは生誕シーンを意味するようになりました。hideがいうクリッペとは、ですから「キリストの生誕の様子を人形で表したもの」だといえます。

 たとえば大聖堂で有名なケルンですと、その大聖堂を囲むように、市内を中心に様々な国や文化のクリッペが、この時期展示されています。(その数なんと100ヵ所以上!)クリッペ作り400年の歴史を持つバンベルグでは、等身大のものから、ワンセット(っていうのかな?)で200体を超えるものなどが30ヵ所で展示されていたりするんですよ。

 元々は15世紀末のイタリア・ナポリが発祥の地と伝えられていますが、当初は王侯貴族や教会のために制作されたといわれます。現在では上の画像のように家庭用のクリッペもたくさんありますので、手軽に入手することが出来ます。木彫りや粘土あるいはガラス製・金属製と色々ありますが、いいものはやはりそれなりのお値段が・・・。(^_^;)

 モチーフは「羊や牛などの動物達・馬小屋・東方の三賢者」、そして「イエス・マリア・ヨセフの聖家族」などなど・・・。それ以外に「天使・らくだ・象・ロバ・井戸」などが一緒に飾られることもあります。

 
 処女マリアは、「救世主である男児を聖霊によってみごもるであろう」という神のお告げを受けます。
 そしてその御子にイエス(神は救うの意)と名づけるようにとも告げられます。マリアのいいなずけであるナザレの大工ヨセフも、夢でみ告げを受けます。

 ある日ヨセフは、当時行われた国勢調査を受けるため、みごもったマリアを伴ってベツレヘムへ向かいます。

 道のりは遠く、旅は厳しいものでした。

 折悪しくベツレヘムの町の宿は、どこも混んでいて二人を泊めてくれる宿はどこにもありませんでした・・・。

 二人はようやく馬小屋の片すみを与えられます。

 その夜、マリアは男児を産み、その御子は飼い葉桶に寝かされます。

 一方、東方の三賢者はひときわ明るい星に導かれて、
イエスを拝みにやってきます。そしてそれぞれ「黄金・乳香・没薬(もつやく)」を贈りものとします。

また羊飼い達は天使に率いられた天の軍勢を見ます。彼らもまた、イエスを訪ね、喜びに満ちあふれます。
そうして、動物達もイエスの誕生を祝福するのでした。


キリスト教徒であるかどうかに関係なく、小さい頃に一度はこういったキリストの生誕物語を読まれた方もたくさんおられることと思います。

クリッペはそれを、人形達によって再現しようとしている訳です。キリスト生誕が12月25日、三賢者がやってきたのが1月6日。この期間を生誕節と呼ぶのは、もうご存知ですよね?
 では、色々なクリッペをご紹介しましょう。


こんなのもあるんですよ♪


「鳥獣戯画」的な発想って洋の東西を問いませんね


小さな子供さんにはこういう方が楽しくていいかもしれません


しかしここまでくると・・・もう原型を留めていないかも? (ーー;)


何でもあり?まあ楽しいからいいですけど(笑)
我が家にもこのぬいぐるみがあったりして・・・。


・・・で、今度はグッとシブく・・・


屋外に飾られていることも多いですね、もっとも樹上というのはhideも初めて見ましたが・・・


こちらはクリッペというよりオブジェかな?


こ・・・凝ってますね・・・ ^_^;
 

 
 色々とたくさんありますよね。キリスト教の原点というか、始まりの日とでも呼ぶべき大切な瞬間ですから、様々に意匠をこらしたものが存在するのは当然かもしれません。

 問題はそれをhideみたいなのが紹介していいのか?という点だけかもしれませんね。(笑)

 手作りのクリッペを先祖代々受け継いでいく、という話も聞くことからも、いかに大事にされているかが分かると思います。

 しかし立派なクリッペばかりではなく、素朴なクリッペこそが世界中で親しまれているのかもしれません。今度はそんなクリッペをご紹介しましょう。

 
    
Angel and Cow (Kenya)                        Christ Child (Peru)

    
Crèche (Switzerland)                                Figure (Italy)

  
Joseph and the Christ Child (Uruguay)                             Magi (Russia)

  
Mary and the Christ Child (Colombia)                    Shepherd and Animals (Texas)

    
Shepherds, sheep and lamb (Ireland)                      Shepherd and sheep (Denmark)

 毎年ひとつずつ揃えていく本格的なクリッペも、庶民のために作られた本当に素朴なクリッペも、すべてはクリスマスを迎えるための信仰心が生み出したものといえるかもしれません。hideにはほど遠い「信仰」という言葉ですが、今日のカレンダーは作っていて敬虔な気持ちになりました。不思議ですね・・・。

 ところでアドヴェントの到来と共に飾られるクリッペですが、その飾り方にはどうも決まりごとがあるようです。

 12月24日までは、マリアとヨセフの人形だけが置かれているのが普通みたいです。馬小屋や井戸などの建物や施設がある場合は、それらを背景として配置します。

 12月25日には、それまで隠しておいた飼い葉桶に寝かせたキリストをマリアとヨセフの真ん中に配置。天使や動物達の人形があればそれも周りに配置します。

 お祝いにやってくるカスパール・メルキオール・バルタザールの三賢者ですが、それまでは遠くに置かれたままです。彼らはクリスマスの翌日から毎日、少しずつキリストに近づいていきます。(家庭ではお父さんやお母さんが、少しずつ動かしていくそうです)

 1月6日。三賢者がようやくキリストのところにたどりつきます。贈りものの「黄金・乳香・没薬(もつやく)」を携えて・・・。

 クリスマスの翌日からこの日までをエピファニー(公現節)といい、”クリスマスの12日間”という題のキャロルもあるように、キリスト教圏ではこの日までツリーやクリスマスの飾りつけが至るところで見られます。
 ですので年越しのイベントで唄われる「蛍の光」も、実は立派なクリスマスキャロルなんですよ。ご存知でしたか?
 だってクリスマスの期間中に親しまれているキャロルですから・・・。


 

 
 なんか大長編になっちゃった・・・。(^_^;)
 読むのが大変じゃなかったですか?あなたへの久々のカードですので、ちょっと張りきりすぎたかも?
 で・・・、さて明日は何でしょう?(^^ゞ

 というところで、ではまた明日。


今日はこちらからどうぞ♪

 O Little Town Of Bethlehem

MIDI file Download (32kb)

 BGM : O Little Town Of Bethlehem